ナンダ・デヴィ国立公園及び花の谷国立公園とは?世界遺産についての解説

ナンダ・デヴィ国立公園及び花の谷国立公園の構成要素
要素 説明
ナンダ・デヴィ山 標高7,817mのインド第2の高峰。ヒンドゥー教の聖山として崇拝されている。
氷河 ナンダ・デヴィ国立公園には、多くの氷河が存在する。
モレーン 氷河が移動した際に堆積した土砂や岩石。
高原 標高の高い平坦な地形。
針葉樹林 ナンダ・デヴィ国立公園の低地には、針葉樹林が見られる。
シャクナゲ ナンダ・デヴィ国立公園で見られる花。
ユキヒョウ 絶滅危惧種に指定されている。
ヒマラヤジャコウジカ 絶滅危惧種に指定されている。
バーラル ヒマラヤ原産のヤギ。
花の谷 標高約3,500mの雪解け水に囲まれたエリア。
高山植物 花の谷国立公園には、600種を超える高山植物が生息している。
固有種 特定の地域にのみ生息する種。
鳥類 花の谷国立公園には、固有の鳥類が7種見られる。
ヘムクンド湖 花の谷国立公園内にある湖。シク教徒の聖地。
シク教 インドの宗教。
沐浴 宗教的な儀式の一種。
寺院 宗教的な施設。
青いケシ 高山植物の代表格。高度3,000m以上でしか咲かない。
エーデルワイス 高山植物の一種。
マーガレット 高山植物の一種。

1. ナンダデヴィ国立公園の魅力とは

要約

ナンダデヴィ山の神聖さと自然美

ナンダ・デヴィ国立公園は、インド第2の高峰であるナンダ・デヴィ山(標高7

ナンダ・デヴィ国立公園は、ヒマラヤ山脈の西部の固有の生態系を保護しており、絶滅危惧種のユキヒョウやヒマラヤジャコウジカ、バーラルと呼ばれるヒマラヤ原産のヤギなど、貴重な動物が生息しています。また、針葉樹林やシャクナゲなど、多様な植物も見られます。

ナンダ・デヴィ国立公園は、宗教的な理由や生態系の保護の観点から、1983年から環境保護の学術調査以外での入域は禁止されています。そのため、ナンダ・デヴィ山の神聖さと自然美を直接体験することはできませんが、その神秘的な魅力は、多くの人々の心を惹きつけています。

ナンダデヴィ国立公園の魅力
魅力 説明
神聖さ ヒンドゥー教の聖山として崇拝されている。
自然美 氷河、モレーン、高原など、手つかずの自然が残る。
生物多様性 ユキヒョウ、ヒマラヤジャコウジカ、バーラルなど、貴重な動物が生息している。
景観 雄大なヒマラヤ山脈の景色を望むことができる。

花の谷国立公園の豊かな高山植物

花の谷国立公園は、ナンダ・デヴィ国立公園の西側に位置し、標高約3

花の谷国立公園は、ヒマラヤ山脈の東と西の植物相の移行地帯に位置しており、絶滅危惧種や固有種の植物が生息しています。また、固有の鳥類も7種見られるなど、生物多様性に富んだ地域です。

花の谷国立公園は、ナンダ・デヴィ国立公園と同様に、ヒマラヤ山脈の壮大な景色を望むことができます。雪に覆われた山々を背景に、色とりどりの花々が咲き乱れる風景は、まさに絶景です。

花の谷国立公園の魅力
魅力 説明
高山植物 600種を超える高山植物が咲き乱れる。
生物多様性 絶滅危惧種や固有種の植物、固有の鳥類が生息している。
景観 雪に覆われた山々を背景に、色とりどりの花々が咲き乱れる。

世界遺産としての価値

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、1988年に世界遺産に登録されました。登録基準は、自然美と生物多様性です。

ナンダ・デヴィ国立公園は、インドの文学や神話で言及され、インドで2番目に高い山という面で著名な探検家や登山家を魅了するほどで、この地は氷河やモレーン、高原などを保護しています。一方、花の谷国立公園は高山植物や花が広がり、息を呑むほどに美しい景観が見られるという点で評価されています。

ナンダ・デヴィ国立公園は、絶滅危惧種のユキヒョウやヒマラヤジャコウジカ、バーラルなどが生息し、肉食動物が捕食する有蹄類やキジ科などが他のヒマラヤ西部の保護区よりも多く見られるのが特徴です。花の谷国立公園は、貴重な高山植物があることで知られ、ここはヒマラヤ山脈の東と西の植物相の移行地帯であるため、絶滅危惧種や固有種の植物が存在し、さらに固有の鳥類が7種も見られるということで評価されています。

世界遺産登録基準
基準 説明
vii) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
x) 生物多様性の保全において、顕著で普遍的な価値を持つもの。

まとめ

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、ヒマラヤ山脈の壮大な自然美と豊かな生物多様性を兼ね備えた世界遺産です。ナンダ・デヴィ山はヒンドゥー教の聖山として崇められており、その神聖さと自然美は多くの人々を魅了しています。一方、花の谷国立公園は、600種を超える高山植物が咲き乱れる、まさに花の楽園です。

これらの国立公園は、ヒマラヤ山脈の生態系を保護する上で重要な役割を果たしており、世界遺産に登録されることで、その価値が広く認められました。

ナンダ・デヴィ国立公園は、現在入山が禁止されていますが、花の谷国立公園は、ハイキングコースが整備されており、誰でもその美しい景色を楽しむことができます。

ただし、高地であることや、自然環境保護の観点から、事前にしっかりと準備をすることが大切です。

2. ナンダデヴィ国立公園の歴史と起源

要約

ナンダ・デヴィ猟鳥獣保護地域から国立公園へ

ナンダ・デヴィ国立公園の前身は、ナンダ・デヴィ猟鳥獣保護地域です。この保護地域は、1939年1月7日に設定され、ヒマラヤ山脈の保護区の中では最古とされています。

1980年には、国立公園となることが決まり、当初は「サンジャイ・ガーンディー国立公園」となる予定でしたが、1982年11月6日に現在の名称で正式に発足しました。

ナンダ・デヴィ国立公園は、ヒマラヤ山脈の自然保護の重要性を認識し、その保護を強化するために設立されました。

ナンダ・デヴィ国立公園の歴史
出来事
1939年 ナンダ・デヴィ猟鳥獣保護地域が設立される。
1980年 国立公園となることが決定。
1982年 ナンダ・デヴィ国立公園として正式に発足。
1983年 環境保護の学術調査以外での入域が禁止される。

ナンダ・デヴィ山の宗教的な意味

ナンダ・デヴィ山は、ヒンドゥー教の聖なる山として崇拝されてきました。ナンダ・デヴィとはサンスクリット語で「祝福された女神」を意味し、ヒンドゥー教の女神ナンダが住む地として信仰されています。

ウッタラーカンド州全域の寺院では、毎年儀式にのっとって定められた日付にナンダ・デヴィ祭が行われます。この祭りは、女神ナンダの里帰りを表現する儀式に始まり、夫(シヴァ)の待つ家に戻る儀式で最高潮に達します。

また、ウッタラーカンド州に伝わる伝説によれば、ガルワール王の領地で12年に一度、4本角の雄羊が誕生し、ガルワールからトリシュル峰まで行く巡礼を先導するとされています。この巡礼の祭り、ナンダー・デーヴィー・ラージ・ジャートは、12年に一度、8月から9月初旬にかけて、21日間にわたって行われます。

ナンダ・デヴィ山の宗教
宗教 説明
ヒンドゥー教 ナンダ・デヴィ山は、ヒンドゥー教の女神ナンダが住む地として信仰されている。
ナンダ・デヴィ祭 毎年行われる、女神ナンダの里帰りを表現する儀式。
ナンダー・デーヴィー・ラージ・ジャート 12年に一度行われる、女神ナンダが夫の住むところまで行く道のりを追体験する巡礼。

ナンダ・デヴィ国立公園の入山制限

ナンダ・デヴィ国立公園は、宗教的な理由や生態系の保護の観点から、1983年から環境保護の学術調査以外での入域は禁止されています。

標高の高い地域から順に段階的に入山が制限されてきた経緯があり、現在では、学術研究以外での国立公園内への立ち入りはできません。

これは、ナンダ・デヴィ国立公園の貴重な生態系を保護するため、そしてヒンドゥー教徒にとって聖なる場所であるナンダ・デヴィ山を敬うために行われています。

まとめ

ナンダ・デヴィ国立公園は、ヒマラヤ山脈の自然保護の重要性を認識し、その保護を強化するために設立されました。

ナンダ・デヴィ山は、ヒンドゥー教の聖なる山として崇められており、その宗教的な意味合いも国立公園の設立に影響を与えています。

ナンダ・デヴィ国立公園は、現在入山が禁止されていますが、その理由は、貴重な生態系を保護するため、そしてヒンドゥー教徒にとって聖なる場所であるナンダ・デヴィ山を敬うためです。

3. ナンダデヴィ国立公園の生態系と環境保全活動

要約

多様な生態系と貴重な動物

ナンダ・デヴィ国立公園は、標高2

この公園には、ジャコウジカ、ヒマラヤタール、ハヌマンラングールなど、少なくとも14種の哺乳類が生息しています。

特に、ユキヒョウは絶滅危惧種、ツキノワグマは危急種に指定されており、これらの貴重な動物の保護が課題となっています。

ナンダ・デヴィ国立公園の生態系
地形 説明
針葉樹林帯 低地に見られる。
氷河 標高の高い場所に存在する。
モレーン 氷河が移動した際に堆積した土砂や岩石。
雪原 標高の高い場所に存在する。

環境保護の取り組み

ナンダ・デヴィ国立公園は、貴重な生態系を保護するために、1983年から環境保護の学術調査以外での入域を禁止しています。

また、公園内では、森林伐採や狩猟などの行為が厳しく禁止されています。

これらの取り組みは、ナンダ・デヴィ国立公園の生態系を維持し、貴重な動物や植物を保護するために不可欠です。

環境保護の取り組み
取り組み 説明
入域制限 1983年から環境保護の学術調査以外での入域が禁止されている。
森林伐採禁止 公園内では、森林伐採が禁止されている。
狩猟禁止 公園内では、狩猟が禁止されている。

環境問題と課題

ナンダ・デヴィ国立公園は、気候変動の影響を受けています。近年、氷河の融解が加速し、洪水や地滑りの発生リスクが高まっています。

また、観光客の増加による環境負荷も懸念されています。

ナンダ・デヴィ国立公園の生態系を保護するためには、気候変動対策や観光客の管理など、さらなる取り組みが必要となります。

環境問題
問題 説明
気候変動 氷河の融解が加速し、洪水や地滑りの発生リスクが高まっている。
観光客の増加 環境負荷が増加している。

まとめ

ナンダ・デヴィ国立公園は、ヒマラヤ山脈の貴重な生態系を保護する重要な役割を担っています。

しかし、気候変動や観光客の増加など、様々な環境問題に直面しています。

ナンダ・デヴィ国立公園の生態系を維持するためには、持続可能な観光の推進や環境保護の強化など、様々な取り組みが必要となります。

4. 花の谷国立公園の特徴と見どころ

要約

花の谷の美しさ

花の谷国立公園は、ナンダ・デヴィ国立公園の西側に位置し、標高約3

この公園は、その名の通り、600種を超える高山植物が咲き乱れることで有名です。

雪解け水が供給される標高3

ハイキングコース

花の谷国立公園は、秘境的な風景の中を歩くハイキングコースが人気です。

ハイキングをする人は、ウッタラカンド州のジョシーマスに宿泊し、ガバインド・ガッド経由でガンガリアに行くか、花の谷国立公園に一番近いガンガリアのゲストハウスに宿泊することが多いようです。

ガンガリアは、「花の谷」へ向かうハイキングコースと、「ヘムクンド湖」へ向かう2コースの拠点となる場所です。

ハイキングコース
コース 説明
花の谷コース ガンガリアから花の谷までの約3kmのコース。
ヘムクンド湖コース ガンガリアからヘムクンド湖までの約8kmのコース。

ヘムクンド湖

ヘムクンド湖は、花の谷国立公園内にある湖で、シク教徒の聖地としても知られています。

湖は、シク教徒の人々が沐浴する場所として使われ、周りには寺院もあります。

青い花々の咲き乱れる中での沐浴は、貴重な体験になるでしょう。

まとめ

花の谷国立公園は、ヒマラヤ山脈の壮大な景色と、600種を超える高山植物が咲き乱れる、まさに花の楽園です。

ハイキングコースが整備されており、誰でもその美しい景色を楽しむことができます。

ヘムクンド湖は、シク教徒の聖地としても知られており、宗教的な意味合いも持ち合わせています。

5. 花の谷国立公園の植物と花の種類

要約

高山植物の宝庫

花の谷国立公園には、約600種もの花が咲き乱れており、その美しさは、訪れる人々を魅了します。

特に目を引くのは、ブルーポピーという青い花です。

この花は、高山植物の代表格で、高度3

様々な花々

花の谷国立公園には、ブルーポピー以外にも、エーデルワイスやマーガレットなど、様々な色や形の花々が咲き乱れています。

これらの花々は、ヒマラヤ山脈の厳しい環境に適応し、その美しさを開花させています。

花の谷国立公園は、高山植物の宝庫であり、その多様性と美しさは、世界でも類を見ないものです。

花の谷で見られる花
説明
ブルーポピー 高山植物の代表格。高度3,000m以上でしか咲かない。
エーデルワイス 高山植物の一種。
マーガレット 高山植物の一種。

植物の保護

花の谷国立公園は、貴重な高山植物を保護するために、様々な取り組みが行われています。

例えば、公園内では、植物の採取や持ち出しが禁止されています。

また、観光客の増加による環境負荷を軽減するため、ハイキングコースの整備やゴミの回収など、様々な対策が講じられています。

まとめ

花の谷国立公園は、約600種もの花が咲き乱れる、まさに花の楽園です。

ブルーポピーをはじめ、エーデルワイスやマーガレットなど、様々な色や形の花々が、訪れる人々を魅了します。

貴重な高山植物を保護するため、様々な取り組みが行われており、その美しさを未来へ繋ぐための努力が続けられています。

6. 花の谷国立公園とナンダデヴィ国立公園の関係性

要約

隣接する2つの国立公園

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、ヒマラヤ山脈の西部に位置し、隣接する2つの国立公園です。

両公園は、ザンスカール山脈とグレート・ヒマラヤ山脈の間にあるユニークな遷移地帯を包括しており、100年以上にわたり登山家や植物学者から称賛され、ヒンドゥー教の神話においても長い間賞賛されています。

ナンダ・デヴィ国立公園は、標高の高い山岳地帯で、氷河や雪原が広がっています。一方、花の谷国立公園は、標高が低く、雪解け水に囲まれた渓谷に、多くの花々が咲き乱れています。

生態系のつながり

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、それぞれ異なる環境を持つ一方で、生態系は密接に繋がっています。

ナンダ・デヴィ国立公園の氷河や雪原から流れ出す水は、花の谷国立公園の植物の生育に欠かせないものです。

また、両公園には、ユキヒョウやヒマラヤタールなど、共通して生息する動物もいます。

生態系のつながり
つながり 説明
水源 ナンダ・デヴィ国立公園の氷河や雪原から流れ出す水は、花の谷国立公園の植物の生育に欠かせない。
動物 ユキヒョウやヒマラヤタールなど、共通して生息する動物がいる。

世界遺産としての価値

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、1988年に世界遺産に登録されました。

登録基準は、自然美と生物多様性です。

両公園は、ヒマラヤ山脈の壮大な景色と、豊かな生態系を保護する上で重要な役割を果たしています。

まとめ

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、隣接する2つの国立公園であり、それぞれ異なる環境を持つ一方で、生態系は密接に繋がっています。

両公園は、ヒマラヤ山脈の壮大な景色と、豊かな生態系を保護する上で重要な役割を果たしており、世界遺産に登録されることで、その価値が広く認められました。

これらの国立公園を訪れることで、ヒマラヤ山脈の自然美と生物多様性を体感することができます。

参考文献

インドの世界遺産「ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 …

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 – Wikipedia

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 – 世界遺産を学ぶ

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 | 世界遺産 …

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インド/ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園の写真と解説

花の渓谷とナンダ デヴィ国立公園 | Incredible India

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ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 – Weblio 辞書

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