マントヴァとサッビオネータとは？世界遺産についての解説

マントヴァとサッビオネータの世界遺産
都市	登録年	登録基準	概要
マントヴァ	2008	(ii)(iii)	ルネサンス期の都市計画と建築物
サッビオネータ	2008	(ii)(iii)	ルネサンス期の理想都市の計画と建築物

1. マントヴァの歴史と文化

マントヴァの歴史

マントヴァは、イタリア北部のロンバルディア州にある人口約5万人の小さな町です。歴史は古く、紀元前6世紀までさかのぼります。14世紀以降は、マントヴァ公になったゴンザーガ家によって支配されるようになり、街は繁栄しました。ウィリアム・シェイクスピア作の悲劇『ロミオとジュリエット』でも登場する都市で、ロミオがヴェローナを追放された時に向かった街でもあります。

ゴンザーガ家の本拠地であるドゥカーレ宮殿には、今でも多くの美術品が残っていることで有名です。街の中心部のエルベ広場に面した、サン・ロレンツォ円形聖堂（ロトンダ）はロマネスク様式の建造物で、その歴史は11世紀に遡るというほどに古いもの。他にも18世紀に建造された、バロック様式の学術劇場（ビビエナ劇場）など、各時代の建造物が多く見られます。

マントヴァは、14世紀以降はゴンザーガ家が統治するようになり、1530年には同家のフェデリーコ2世が公爵位を授けられ、マントヴァ公国が成立しました。フェデリーコ2世は建築家でもあったジュリオ・ロマーノを招き、マントヴァのいくつかの建物をルネサンス様式で新築したり改築したりさせました。

世界遺産に登録されているのは中世からルネサンス期の建造物群が残るエルベ広場、マンテーニャ広場、ソルデッロ広場などの市中心部、および市街地の南端に位置するテ宮殿（テ離宮）とそれらをつなぐサン・セバスティアーノ聖堂などが面する街路で、登録面積は175ha、緩衝地域は1

マントヴァの歴史
時代	出来事
紀元前6世紀	エトルリア人都市として誕生
14世紀以降	ゴンザーガ家の支配
1530年	マントヴァ公国成立
11世紀	サン・ロレンツォ円形聖堂（ロトンダ）建設
18世紀	ビビエナ劇場建設

ゴンザーガ家と芸術

ゴンザーガ家は、約380年間マントヴァを統治し、富と権力、見識があった一族です。彼らの富と権力のポイントは、大地を所有していたこと、馬を飼育していたこと、ヨーロッパ中の王公貴族と親戚関係を結んだこと、息子の1人は聖職者にしたこと、芸術、文芸、学問への関心をつねに持っていたことなどです。

1代目マントヴァ侯爵ジャンフランチェスコは、フェラーラで仕事をしていたピサネッロを招いて宮廷内を当時の流行していたアーサー王の物語をフレスコ画で飾りました。2代目マントヴァ侯爵ルドヴィコ2世はパドヴァ出身の画家アンドレア・マンテーニャを宮廷に招いてサン・ジョルジョ城に家族の肖像画を描かせました。

4代目マントヴァ侯爵フランチェスコ2世の夫人、ルネサンス期の才女イザベッラ・デステはレオナルド・ダヴィンチを招いて肖像画を依頼したのですが、報酬額が低くてデッサンのみで終わってしまいました。その息子、1代目マントヴァ公爵フェデリコ2世は城壁の外に愛人イザベラ・ボスケッティと過ごす離宮をラファエルロの弟子であったジュリオ・ロマーノに設計と内部の装飾を依頼しました。

彼の孫、4代目マントヴァ公爵ヴィンチェンツォの時代にクレモーナ出身のモンテヴェルディ作、オペラ「オルフェイウス」が宮廷内で上演されました。その他、ゴンザーガ家の宮廷にはヨーロッパ中の王公貴族の方々が訪問しています。中でも神聖ローマ帝国皇帝カール5世はマントヴァへ2回訪問してテ宮殿を大変気にいられたと言われています。

ゴンザーガ家の主な人物
人物	役職	功績
ジャンフランチェスコ	1代目マントヴァ侯爵	ピサネッロを招き宮廷をフレスコ画で飾る
ルドヴィコ2世	2代目マントヴァ侯爵	マンテーニャを招き家族の肖像画を描く
フランチェスコ2世	4代目マントヴァ侯爵	イザベッラ・デステと結婚
フェデリコ2世	1代目マントヴァ公爵	テ宮殿を建設
ヴィンチェンツォ	4代目マントヴァ公爵	モンテヴェルディのオペラ「オルフェイウス」を上演
カール5世	神聖ローマ帝国皇帝	マントヴァを2回訪問

マントヴァの文化

マントヴァは、ゴンザーガ家の庇護のもと、芸術文化が花開いた街です。ドゥカーレ宮殿、サンタンドレア大聖堂、テ宮殿など、数多くの歴史的建造物が残されています。これらの建造物は、ルネサンス期の建築様式を代表するもので、当時の芸術家たちの高い技術力と創造性を示しています。

マントヴァには、他にも魅力的な観光スポットがあります。例えば、11世紀に建てられたロトンダ・ディ・サン・ロレンツォは、円形平面を持つロマネスク様式の教会で、その独特な建築様式は、マントヴァの豊かな歴史を物語っています。

また、18世紀に建てられたビビエナ劇場は、バロック様式の美しい劇場で、今でもコンサートやイベントに使われています。モーツァルトも訪れたことがあるそうです。

マントヴァは、芸術だけでなく、食文化も魅力的です。特に、カボチャを使った料理が有名です。カボチャの甘みとマスタードの辛さが絶妙なバランスで、とても美味しいです。

マントヴァの主な観光スポット
スポット	概要
ドゥカーレ宮殿	ゴンザーガ家の旧城館
サンタンドレア大聖堂	ルネサンス様式の聖堂
テ宮殿	ゴンザーガ家の別荘
ロトンダ・ディ・サン・ロレンツォ	円形平面を持つロマネスク様式の教会
ビビエナ劇場	バロック様式の美しい劇場
サン・ピエトロ大聖堂	天井のフレスコ画が美しい大聖堂
テレジアーナ図書館	歴史的な図書館

まとめ

マントヴァは、ゴンザーガ家の支配によって、ルネサンス期の芸術文化が花開いた街です。ドゥカーレ宮殿やテ宮殿など、数多くの歴史的建造物が残されており、当時の芸術家たちの高い技術力と創造性を垣間見ることができます。

また、マントヴァは、歴史的な街並みだけでなく、豊かな自然にも恵まれた街です。ガルダ湖から流れ出るミンチョ川によって形成された3つの湖に囲まれ、美しい景観を楽しむことができます。

マントヴァは、歴史、芸術、自然、食文化など、様々な魅力が詰まった街です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

2. サッビオネータの観光スポット

サッビオネータの歴史

サッビオネータは、マントヴァから約30kmの場所に位置する人口約5000人の小さな町です。16世紀に、ゴンザーガ家のヴェスパシアーノ・ゴンザーガによって建設された都市で、彼の理念が投影された計画都市です。

六芒星のような形状の城壁に囲まれた区画に市庁舎や宮殿などが建ち並んでいることから、「小アテネ」という異名を持つほど、理想都市として建設されました。

ヴェスパシアーノは、サッビオネータを理想都市として建設し、街には彼の居城としていたドゥカーレ宮殿や、彼の霊廟となっているインコロナータ聖堂など、ヴェスパシアーノゆかりの地が多く残っています。

サッビオネータは、マントヴァとは異なる魅力を持つ街です。マントヴァが歴史的な街並みを誇るのに対し、サッビオネータは、ルネサンス期の理想都市として計画的に建設された街です。

サッビオネータの歴史
時代	出来事
16世紀	ヴェスパシアーノ・ゴンザーガによって建設
16世紀	理想都市として建設
16世紀	ドゥカーレ宮殿建設
16世紀	インコロナータ聖堂建設
16世紀	古代劇場建設

サッビオネータの観光スポット

サッビオネータの観光スポットとしては、ドゥカーレ宮殿、インコロナータ聖堂、古代劇場などが挙げられます。ドゥカーレ宮殿は、ヴェスパシアーノが居城としていた宮殿で、現在は博物館として公開されています。

インコロナータ聖堂は、ヴェスパシアーノの霊廟となっており、彼の功績を称えるために建てられました。古代劇場は、16世紀に建設されたもので、現在も演劇やコンサートなどが開催されています。

サッビオネータは、街全体が歴史的な建造物で構成されており、ルネサンス期の都市計画の素晴らしさを体感することができます。

サッビオネータの主な観光スポット
スポット	概要
ドゥカーレ宮殿	ヴェスパシアーノの居城
インコロナータ聖堂	ヴェスパシアーノの霊廟
古代劇場	16世紀に建設された劇場
庭園宮殿	ヴェスパシアーノの別荘
骨董の回廊	フレスコ画が美しい回廊
サンロッコ教会	18世紀に建設された教会
シナゴーグ	ユダヤ教の礼拝堂

サッビオネータの建築

サッビオネータの建築物は、ルネサンス期の建築様式を代表するもので、その美しいデザインと精巧な技術は、当時の建築家たちの高い技術力と創造性を示しています。

サッビオネータの建築物は、マントヴァの建築物と比較して、よりシンプルで洗練された印象を受けます。これは、サッビオネータが、ヴェスパシアーノの理想都市として計画的に建設された街であるためです。

サッビオネータの建築物は、街全体が調和のとれた美しい景観を形成しており、訪れる人々に感動を与えます。

サッビオネータの建築様式
様式	特徴
ルネサンス様式	シンプルで洗練されたデザイン
マニエリスム様式	装飾的な要素が多い
バロック様式	華麗で壮大なデザイン

まとめ

サッビオネータは、ルネサンス期の理想都市として計画的に建設された街です。ヴェスパシアーノ・ゴンザーガの理想が形になった街で、街全体が歴史的な建造物で構成されています。

3. マントヴァ料理の魅力

マントヴァの郷土料理

マントヴァは、豊かな食文化を持つ街としても知られています。特に、カボチャを使った料理が有名です。マントヴァでは、カボチャを様々な料理に使っており、その独特の風味は、他の地域では味わえないものです。

マントヴァの郷土料理として有名なのは、カボチャとリンゴのモスタルダを詰めたトルテッリパスタです。カボチャの甘みとマスタードの辛さが絶妙なバランスで、とても美味しいです。

また、マントヴァでは、フルーツのシロップ漬けにマスタードがきいたモスタルダも人気です。このモスタルダは、ハムやチーズと一緒に食べると、さらに美味しくなります。

マントヴァの郷土料理は、地元の食材を活かした、シンプルながらも奥深い味わいが特徴です。

マントヴァの郷土料理
料理	特徴
トルテッリパスタ	カボチャとリンゴのモスタルダを詰めたパスタ
モスタルダ	フルーツのシロップ漬けにマスタードがきいたもの
ポレンタ	トウモロコシの粉を煮て作った料理

マントヴァの伝統菓子

マントヴァには、伝統的な菓子も数多く存在します。中でも有名なのは、ズブリゾローナという菓子です。ズブリゾローナは、アーモンドと小麦粉とバターから作られた、サクサクとした食感のクッキーです。

ズブリゾローナは、マントヴァのカフェやレストランで、よく食べられています。コーヒーや紅茶と一緒に楽しむのがおすすめです。

マントヴァの伝統菓子は、地元の食材を活かした、素朴ながらも美味しいお菓子です。

マントヴァの伝統菓子
菓子	特徴
ズブリゾローナ	アーモンドと小麦粉とバターから作られたクッキー

マントヴァのレストラン

マントヴァには、美味しい郷土料理を提供するレストランがたくさんあります。特に、オステリア・デラ・フラゴレッタというレストランは、地元の人々にも愛されている人気店です。

オステリア・デラ・フラゴレッタでは、伝統的なマントヴァ料理を、リーズナブルな価格で楽しむことができます。

マントヴァには、他にも美味しいレストランがたくさんあります。ぜひ、自分の好みに合ったレストランを探して、マントヴァの食文化を満喫してください。

マントヴァのレストラン
レストラン	特徴
オステリア・デラ・フラゴレッタ	地元の人々にも愛されている人気店
イル・トロバトーレ	ソルデッロ広場越しにドゥカーレ宮殿を見ながら食事ができるレストラン
Loggetta	ジェラートが美味しいお店

まとめ

マントヴァは、豊かな食文化を持つ街としても知られています。カボチャを使った料理や伝統的な菓子など、地元の食材を活かした美味しい料理がたくさんあります。

マントヴァには、美味しい郷土料理を提供するレストランがたくさんあります。ぜひ、マントヴァの食文化を満喫してください。

4. サッビオネータの建築と美術

サッビオネータの建築

サッビオネータは、ルネサンス期の理想都市として計画的に建設された街です。そのため、街全体が調和のとれた美しい景観を形成しており、訪れる人々に感動を与えます。

サッビオネータの建築様式
様式	特徴
ルネサンス様式	シンプルで洗練されたデザイン
マニエリスム様式	装飾的な要素が多い
バロック様式	華麗で壮大なデザイン

サッビオネータの美術

サッビオネータには、ドゥカーレ宮殿やインコロナータ聖堂など、数多くの歴史的建造物が残されています。これらの建造物には、当時の芸術家たちの作品が数多く残されており、サッビオネータの豊かな歴史と文化を物語っています。

サッビオネータの美術は、ルネサンス期の芸術様式を代表するもので、その美しいデザインと精巧な技術は、当時の芸術家たちの高い技術力と創造性を示しています。

サッビオネータの美術は、マントヴァの美術と比較して、よりシンプルで洗練された印象を受けます。これは、サッビオネータが、ヴェスパシアーノの理想都市として計画的に建設された街であるためです。

サッビオネータの美術
美術	特徴
フレスコ画	壁画
彫刻	石像
絵画	油絵

サッビオネータの美術館

サッビオネータの美術館
美術館	概要
ドゥカーレ宮殿	ヴェスパシアーノの居城
インコロナータ聖堂	ヴェスパシアーノの霊廟
古代劇場	16世紀に建設された劇場
庭園宮殿	ヴェスパシアーノの別荘
骨董の回廊	フレスコ画が美しい回廊