項目 | テクニカル上場 | IPO |
---|---|---|
対象 | 既存の上場企業が非上場企業と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合 | 未上場企業が初めて株式を公開する場合 |
目的 | 上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供すること | 資金調達、企業の知名度向上、信用力向上 |
手続き | 従来の上場審査よりも簡略化された手続き | 厳しい審査 |
審査期間 | 比較的短い | 長い |
費用 | 上場審査料、新規上場料 | 上場審査料、新規上場料 |
1. テクニカル上場とは何か
テクニカル上場の概要
テクニカル上場とは、既存の上場企業が株式移転や株式交換によって非上場企業の完全子会社となる場合、または上場企業が非上場企業に吸収合併されて解散する場合に、その非上場会社が発行する株式について、簡易な手続きにより上場を認める制度です。従来の上場審査よりも簡略化された手続きで、非上場会社の株式を迅速に上場させることで、以前の上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供することが可能になります。
テクニカル上場が用いられる主なケースとしては、株式移転、株式交換、吸収合併の3つが挙げられます。株式移転とは、上場会社が非上場会社と合併し、新設の持株会社を設立する場合です。株式交換とは、上場会社が非上場会社の完全子会社となり、非上場会社が完全親会社となる場合です。吸収合併とは、上場会社が非上場会社に吸収され、非上場会社が存続会社となる場合です。
テクニカル上場は、上場企業の法人格が変更・消滅しても事業の実態が存続すると認められる場合に適用されます。例えば、上場企業が非上場企業と合併し、非上場企業が存続会社となる場合、上場企業の法人格は消滅しますが、事業の実態は非上場企業に引き継がれます。このような場合、非上場企業の株式をテクニカル上場させることで、上場企業の株主に継続的な株式流通の場を提供することができます。
ただし、上場企業が実質的な存続会社と認められない場合、つまり裏口上場とみなされる場合は、新規上場に準じた審査を受けるための猶予期間が設けられ、不適当と判断された場合は上場廃止となります。
ケース | 説明 |
---|---|
株式移転 | 上場会社が非上場会社と合併し、新設の持株会社を設立する場合 |
株式交換 | 上場会社が非上場会社の完全子会社となり、非上場会社が完全親会社となる場合 |
吸収合併 | 上場会社が非上場会社に吸収され、非上場会社が存続会社となる場合 |
テクニカル上場の目的
テクニカル上場の目的は、上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供することです。上場会社が非上場会社と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりした場合、上場会社の株主は、それまで保有していた上場株式を非上場株式に交換することになります。
しかし、非上場株式は上場株式と比べて流通性が低いため、株主は株式を売却したり、現金化したりすることが難しくなります。テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、株主は引き続き株式を売買することができ、株式の流通性を維持することができます。
また、テクニカル上場は、非上場会社が上場準備を行うための負担を軽減することも目的としています。非上場会社が新規上場する場合、上場審査や上場準備に多大な時間と費用がかかります。テクニカル上場では、従来の上場審査よりも簡略化された手続きで上場できるため、非上場会社は上場準備にかかる負担を軽減することができます。
さらに、テクニカル上場は、経営統合を円滑に進めることにも役立ちます。上場会社が非上場会社と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合、テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、合併や子会社化がスムーズに進みます。
目的 | 説明 |
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株式流通の場提供 | 上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供する |
上場準備負担軽減 | 非上場会社が上場準備を行うための負担を軽減する |
経営統合の円滑化 | 経営統合を円滑に進める |
テクニカル上場の流れ
テクニカル上場の手続きは、上場申請から上場承認、そして上場日という流れで行われます。まず、上場会社は東京証券取引所(東証)にテクニカル上場を申請します。東証は、テクニカル上場審査を行い、上場基準を満たしているかどうかを判断します。
上場基準を満たしていると判断された場合は、東証はテクニカル上場を承認します。上場承認後、東証は新規上場会社に対して、適時開示や決算発表等の諸手続きについての説明を行うほか、TDnetの利用に係る説明を行い、TDnetのID及びパスワードを交付します。
上場日は、東証が決定します。上場日には、新規上場会社は東証に上場日に提出を要する書類を提出します。また、上場日には、新規上場会社の業績予想等に係る適時開示を行うことが考えられます。
上場後も、新規上場会社は東証に対して、適時開示や決算発表などの義務を負います。また、上場廃止となった上場当事会社の決算発表を行う必要もあります。
段階 | 説明 |
---|---|
上場申請 | 上場会社が東京証券取引所(東証)にテクニカル上場を申請する |
上場承認 | 東証がテクニカル上場審査を行い、上場基準を満たしているかどうかを判断する |
上場日 | 東証が決定する。上場日には、新規上場会社は東証に上場日に提出を要する書類を提出する |
まとめ
テクニカル上場は、上場企業が非上場企業と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合に、非上場会社の株式を迅速に上場させる制度です。従来の上場審査よりも簡略化された手続きで、上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供することが可能になります。
テクニカル上場は、上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供すること、非上場会社が上場準備を行うための負担を軽減すること、経営統合を円滑に進めることなどを目的としています。
テクニカル上場の手続きは、上場申請から上場承認、そして上場日という流れで行われます。上場基準を満たしているかどうかを東証が審査し、上場基準を満たしていると判断された場合は、東証はテクニカル上場を承認します。
テクニカル上場は、上場企業の法人格が変更・消滅しても事業の実態が存続すると認められる場合に適用されます。ただし、上場企業が実質的な存続会社と認められない場合、つまり裏口上場とみなされる場合は、新規上場に準じた審査を受けるための猶予期間が設けられ、不適当と判断された場合は上場廃止となります。
2. テクニカル上場のメリットとは
上場会社の株主にとってのメリット
テクニカル上場は、上場会社の株主にとって、株式の流通性を維持できるというメリットがあります。上場会社が非上場会社と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりした場合、上場会社の株主は、それまで保有していた上場株式を非上場株式に交換することになります。
しかし、非上場株式は上場株式と比べて流通性が低いため、株主は株式を売却したり、現金化したりすることが難しくなります。テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、株主は引き続き株式を売買することができ、株式の流通性を維持することができます。
また、テクニカル上場は、株式の価値が下がるリスクを軽減できるというメリットもあります。上場会社が非上場会社と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりした場合、上場会社の株価は下落する可能性があります。これは、上場会社の株主が、非上場会社の株式に交換することを嫌がるためです。
テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、株主は非上場会社の株式を売却することができるため、株価が下落するリスクを軽減することができます。
メリット | 説明 |
---|---|
株式流通性の維持 | 上場会社の株主は、引き続き株式を売買することができ、株式の流通性を維持できる |
株式価値下落リスクの軽減 | 上場会社の株価が下落するリスクを軽減できる |
非上場会社にとってのメリット
テクニカル上場は、非上場会社にとって、上場準備にかかる時間と費用を削減できるというメリットがあります。非上場会社が新規上場する場合、上場審査や上場準備に多大な時間と費用がかかります。テクニカル上場では、従来の上場審査よりも簡略化された手続きで上場できるため、非上場会社は上場準備にかかる負担を軽減することができます。
また、テクニカル上場は、資金調達を容易にするというメリットもあります。非上場会社は、上場していないため、一般の投資家から資金調達することが困難です。テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、一般の投資家から資金調達することができるようになります。
さらに、テクニカル上場は、企業の知名度を向上させるというメリットもあります。非上場会社は、上場していないため、一般の人々に知られていません。テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、一般の人々に知られるようになり、企業の知名度を向上させることができます。
テクニカル上場は、企業の信用力を高めるというメリットもあります。非上場会社は、上場していないため、信用力が低いと見なされることがあります。テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、企業の信用力が向上します。
メリット | 説明 |
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上場準備負担の軽減 | 上場準備にかかる時間と費用を削減できる |
資金調達の容易化 | 一般の投資家から資金調達することができるようになる |
企業の知名度向上 | 一般の人々に知られるようになり、企業の知名度を向上させる |
企業の信用力向上 | 企業の信用力が向上する |
経営統合を円滑に進めるメリット
テクニカル上場は、経営統合を円滑に進めるというメリットもあります。上場会社が非上場会社と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合、テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、合併や子会社化がスムーズに進みます。
これは、上場会社の株主が、非上場会社の株式に交換することを嫌がるためです。テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、株主は非上場会社の株式を売却することができるため、合併や子会社化に反対する人が減ります。
また、テクニカル上場は、経営統合後の企業価値を維持するというメリットもあります。上場会社が非上場会社と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりした場合、経営統合後の企業価値が下落する可能性があります。これは、上場会社の株主が、経営統合後の企業に期待を持てないためです。
テクニカル上場によって非上場会社の株式が上場されれば、株主は経営統合後の企業に期待を持つようになり、企業価値が下落するリスクを軽減することができます。
メリット | 説明 |
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合併や子会社化の円滑化 | 合併や子会社化がスムーズに進みます |
経営統合後の企業価値の維持 | 経営統合後の企業価値が下落するリスクを軽減できる |
まとめ
テクニカル上場は、上場会社、非上場会社、そして経営統合を円滑に進めるという観点から、多くのメリットがあります。
上場会社の株主にとっては、株式の流通性を維持できる、株式の価値が下がるリスクを軽減できるというメリットがあります。
非上場会社にとっては、上場準備にかかる時間と費用を削減できる、資金調達を容易にする、企業の知名度を向上させる、企業の信用力を高めるというメリットがあります。
経営統合を円滑に進めるという観点からは、合併や子会社化がスムーズに進みます、経営統合後の企業価値を維持するというメリットがあります。
3. テクニカル上場の方法と手順
テクニカル上場の手続き
テクニカル上場の手続きは、上場申請から上場承認、そして上場日という流れで行われます。まず、上場会社は東京証券取引所(東証)にテクニカル上場を申請します。東証は、テクニカル上場審査を行い、上場基準を満たしているかどうかを判断します。
上場基準を満たしていると判断された場合は、東証はテクニカル上場を承認します。上場承認後、東証は新規上場会社に対して、適時開示や決算発表等の諸手続きについての説明を行うほか、TDnetの利用に係る説明を行い、TDnetのID及びパスワードを交付します。
上場日は、東証が決定します。上場日には、新規上場会社は東証に上場日に提出を要する書類を提出します。また、上場日には、新規上場会社の業績予想等に係る適時開示を行うことが考えられます。
上場後も、新規上場会社は東証に対して、適時開示や決算発表などの義務を負います。また、上場廃止となった上場当事会社の決算発表を行う必要もあります。
段階 | 説明 |
---|---|
上場申請 | 上場会社が東京証券取引所(東証)にテクニカル上場を申請する |
上場承認 | 東証がテクニカル上場審査を行い、上場基準を満たしているかどうかを判断する |
上場日 | 東証が決定する。上場日には、新規上場会社は東証に上場日に提出を要する書類を提出する |
テクニカル上場審査の基準
テクニカル上場審査では、新規上場会社が上場基準を満たしているかどうかが審査されます。上場基準は、株主数、流通株式数、株式事務代行機関の設置、単元株式数、株券の種類、株式の譲渡制限、指定保管振替機関における取扱いに係る同意、株主の権利の不当な制限、反社会的勢力の関与、公益又は投資者保護の10項目です。
株主数は、上場後最初に終了する事業年度末日までに、一定の基準を満たす必要があります。流通株式数は、上場後最初に終了する事業年度末日までに、一定の基準を満たす必要があります。株式事務代行機関の設置は、東証の承認する株式事務代行機関に委託しているか、または上場当事会社等が当該株式事務代行機関から新規上場会社の株式事務を受託する旨の内諾を得ている必要があります。
単元株式数は、上場の時に100株となる見込みがある必要があります。株券の種類は、議決権付株式を1種類のみ発行している会社における当該議決権付株式、複数の種類の議決権付株式を発行している会社において、取締役の選解任その他の重要な事項について株主総会において一個の議決権を行使することができる数の株式に係る剰余金の配当請求権その他の経済的利益を受ける権利の価額等が他のいずれの種類の議決権付株式よりも高い種類の議決権付株式、無議決権株式のいずれかである必要があります。
株式の譲渡制限は、新規上場会社の株式の譲渡につき制限を行っていないこと、またはテクニカル上場のときまでに制限を行わないこととなる見込みがある必要があります。指定保管振替機関における取扱いに係る同意は、新規上場会社の発行する株券が、指定保管振替機関(株式会社証券保管振替機構)における株券の取扱いの対象であること、または対象となる見込みがある必要があります。
項目 | 説明 |
---|---|
株主数 | 上場後最初に終了する事業年度末日までに、一定の基準を満たす必要がある |
流通株式数 | 上場後最初に終了する事業年度末日までに、一定の基準を満たす必要がある |
株式事務代行機関の設置 | 東証の承認する株式事務代行機関に委託しているか、または上場当事会社等が当該株式事務代行機関から新規上場会社の株式事務を受託する旨の内諾を得ている必要がある |
単元株式数 | 上場の時に100株となる見込みがある必要がある |
株券の種類 | 議決権付株式を1種類のみ発行している会社における当該議決権付株式、複数の種類の議決権付株式を発行している会社において、取締役の選解任その他の重要な事項について株主総会において一個の議決権を行使することができる数の株式に係る剰余金の配当請求権その他の経済的利益を受ける権利の価額等が他のいずれの種類の議決権付株式よりも高い種類の議決権付株式、無議決権株式のいずれかである必要がある |
株式の譲渡制限 | 新規上場会社の株式の譲渡につき制限を行っていないこと、またはテクニカル上場のときまでに制限を行わないこととなる見込みがある必要がある |
指定保管振替機関における取扱いに係る同意 | 新規上場会社の発行する株券が、指定保管振替機関(株式会社証券保管振替機構)における株券の取扱いの対象であること、または対象となる見込みがある必要がある |
株主の権利の不当な制限 | 新規上場会社の発行する株券の株主の権利内容及びその行使が不当に制限されていると東証が認めた場合に該当しないこととなる見込みがあること |
反社会的勢力の関与 | 新規上場会社が、反社会的勢力の関与を受けているものとして施行規則で定める関係を有している事実が判明した場合において、その実態が東証市場に対する株主及び投資者の信頼を著しく毀損したと東証が認めるときに該当しないこととなる見込みがあること |
公益又は投資者保護 | 新規上場会社の発行する株券が、公益又は投資者保護のため、東証が上場廃止を適当と認めた場合に該当しないこととなる見込みがあること |
テクニカル上場審査の費用
テクニカル上場審査には、上場審査料と新規上場料の2種類の費用がかかります。上場審査料は、東証への上場の場合、200万円、マザーズとジャスダックへの上場の場合、100万円です。
新規上場料は、新規上場会社が発行する株券の上場日における時価総額から、上場廃止となった株券の上場廃止前における時価総額を差し引いた額に、万分の2をかけた額です。ただし、1
テクニカル上場審査の費用は、上場申請日以降、東証からご連絡があります。
テクニカル上場審査の費用は、上場会社にとって大きな負担となる可能性があります。そのため、テクニカル上場を行う際には、事前に費用についてよく検討しておく必要があります。
費用 | 金額(外税) |
---|---|
上場審査料 | 東証への上場:200万円、マザーズとジャスダックへの上場:100万円 |
新規上場料 | 新規上場会社が発行する株券の上場日における時価総額から、上場廃止となった株券の上場廃止前における時価総額を差し引いた額に、万分の2をかけた額。ただし、1,000万円が上限とする。 |
まとめ
テクニカル上場の手続きは、上場申請から上場承認、そして上場日という流れで行われます。
テクニカル上場審査では、新規上場会社が上場基準を満たしているかどうかが審査されます。上場基準は、株主数、流通株式数、株式事務代行機関の設置、単元株式数、株券の種類、株式の譲渡制限、指定保管振替機関における取扱いに係る同意、株主の権利の不当な制限、反社会的勢力の関与、公益又は投資者保護の10項目です。
テクニカル上場審査には、上場審査料と新規上場料の2種類の費用がかかります。
テクニカル上場を行う際には、事前に費用についてよく検討しておく必要があります。
4. テクニカル上場におけるリスクと注意点
裏口上場のリスク
テクニカル上場を行う際には、裏口上場のリスクに注意する必要があります。裏口上場とは、上場会社が非上場会社と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりすることで、実質的に非上場会社が上場会社になるようなケースを指します。
裏口上場は、投資家の利益を損なう可能性があるため、東証は裏口上場を厳しく規制しています。裏口上場と判断された場合は、新規上場に準じた審査を受けるための猶予期間が設けられ、不適当と判断された場合は上場廃止となります。
裏口上場を避けるためには、上場会社が合併や子会社化を行う際に、事業の実態が本当に非上場会社に引き継がれているかどうかを慎重に検討する必要があります。また、上場会社は、合併や子会社化を行う前に、東証に事前相談を行う必要があります。
東証は、上場会社が合併や子会社化を行う際に、裏口上場にならないように、厳しく審査を行っています。そのため、上場会社は、裏口上場にならないように、十分な注意が必要です。
リスク | 説明 |
---|---|
投資家の利益を損なう可能性 | 上場会社が非上場会社と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりすることで、実質的に非上場会社が上場会社になるようなケースを指します |
新規上場に準じた審査を受けるための猶予期間 | 裏口上場と判断された場合は、新規上場に準じた審査を受けるための猶予期間が設けられ、不適当と判断された場合は上場廃止となります |
テクニカル上場審査の厳格化
近年、テクニカル上場審査は厳格化しています。これは、裏口上場を防ぐため、そして上場会社の質を高めるためです。
テクニカル上場審査では、新規上場会社の財務状況、経営状況、ガバナンス体制などが厳しく審査されます。また、新規上場会社の事業計画や将来性についても、詳細な審査が行われます。
テクニカル上場審査をクリアするためには、上場会社は、事前に十分な準備を行う必要があります。特に、財務状況、経営状況、ガバナンス体制については、事前にしっかりと整備しておく必要があります。
また、新規上場会社の事業計画や将来性についても、事前にしっかりと検討しておく必要があります。
項目 | 説明 |
---|---|
財務状況 | 新規上場会社の財務状況が厳しく審査されます |
経営状況 | 新規上場会社の経営状況が厳しく審査されます |
ガバナンス体制 | 新規上場会社のガバナンス体制が厳しく審査されます |
事業計画 | 新規上場会社の事業計画が詳細に審査されます |
将来性 | 新規上場会社の将来性が詳細に審査されます |
テクニカル上場における注意点
テクニカル上場を行う際には、上場審査の費用、上場後の維持費用、上場後の情報開示義務など、様々な点に注意する必要があります。
上場審査の費用は、上場審査料と新規上場料の2種類があります。上場審査料は、東証への上場の場合、200万円、マザーズとジャスダックへの上場の場合、100万円です。新規上場料は、新規上場会社が発行する株券の上場日における時価総額から、上場廃止となった株券の上場廃止前における時価総額を差し引いた額に、万分の2をかけた額です。ただし、1
上場後の維持費用は、上場維持料、監査費用、情報開示費用などがあります。上場維持料は、東証への上場の場合、年間約100万円、マザーズとジャスダックへの上場の場合、年間約50万円です。監査費用は、監査法人に支払う費用で、年間約100万円から200万円程度です。情報開示費用は、上場会社が東証に提出する書類の作成費用や印刷費用などです。
上場後の情報開示義務は、上場会社は、東証に対して、適時開示や決算発表などの義務を負います。適時開示とは、上場会社が、株主や投資家に重要な情報を適時かつ正確に開示することです。決算発表とは、上場会社が、毎期、決算報告書を東証に提出することです。
項目 | 説明 |
---|---|
上場審査の費用 | 上場審査料と新規上場料の2種類があります |
上場後の維持費用 | 上場維持料、監査費用、情報開示費用などがあります |
上場後の情報開示義務 | 上場会社は、東証に対して、適時開示や決算発表などの義務を負います |
まとめ
テクニカル上場には、裏口上場のリスク、テクニカル上場審査の厳格化、上場審査の費用、上場後の維持費用、上場後の情報開示義務など、様々なリスクと注意点があります。
テクニカル上場を行う際には、これらのリスクと注意点を十分に理解した上で、慎重に検討する必要があります。
特に、裏口上場のリスクについては、十分な注意が必要です。裏口上場と判断された場合は、新規上場に準じた審査を受けるための猶予期間が設けられ、不適当と判断された場合は上場廃止となります。
テクニカル上場を行う際には、事前に専門家と相談することをお勧めします。
5. テクニカル上場とIPOの違いとは
IPOの概要
IPO(Initial Public Offering)とは、新規株式公開のことです。未上場企業が初めて株式を公開し、証券取引所を通じて一般投資家に株式を売却することを指します。
IPOを行うことで、企業は資金調達を行うことができます。また、企業の知名度向上や信用力向上にもつながります。
IPOを行うには、東証などの証券取引所から上場承認を得る必要があります。上場承認を得るためには、厳しい審査を受ける必要があります。
IPOは、企業にとって大きな転換期であり、多くの準備と努力が必要です。
項目 | 説明 |
---|---|
対象 | 未上場企業 |
目的 | 資金調達、企業の知名度向上、信用力向上 |
手続き | 厳しい審査 |
審査期間 | 長い |
費用 | 上場審査料、新規上場料 |
テクニカル上場とIPOの違い
テクニカル上場とIPOは、どちらも株式を上場させる制度ですが、手続きや目的が異なります。
テクニカル上場は、既存の上場企業が非上場企業と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合に、その非上場会社の株式を迅速に上場させる制度です。
一方、IPOは、未上場企業が初めて株式を公開し、証券取引所を通じて一般投資家に株式を売却する場合に行われる制度です。
テクニカル上場は、従来の上場審査よりも簡略化された手続きで行われます。一方、IPOは、厳しい審査を受ける必要があります。
項目 | テクニカル上場 | IPO |
---|---|---|
対象 | 既存の上場企業が非上場企業と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合 | 未上場企業が初めて株式を公開する場合 |
目的 | 上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供すること | 資金調達、企業の知名度向上、信用力向上 |
手続き | 従来の上場審査よりも簡略化された手続き | 厳しい審査 |
審査期間 | 比較的短い | 長い |
費用 | 上場審査料、新規上場料 | 上場審査料、新規上場料 |
テクニカル上場とIPOの比較表
|項目|テクニカル上場|IPO|
|—|—|—|
|対象|既存の上場企業が非上場企業と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合|未上場企業が初めて株式を公開する場合|
|目的|上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供すること|資金調達、企業の知名度向上、信用力向上|
|手続き|従来の上場審査よりも簡略化された手続き|厳しい審査|
|審査期間|比較的短い|長い|
|費用|上場審査料、新規上場料|上場審査料、新規上場料|
まとめ
テクニカル上場とIPOは、どちらも株式を上場させる制度ですが、手続きや目的が異なります。
テクニカル上場は、既存の上場企業が非上場企業と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合に、その非上場会社の株式を迅速に上場させる制度です。
一方、IPOは、未上場企業が初めて株式を公開し、証券取引所を通じて一般投資家に株式を売却する場合に行われる制度です。
テクニカル上場は、従来の上場審査よりも簡略化された手続きで行われます。一方、IPOは、厳しい審査を受ける必要があります。
6. テクニカル上場の成功事例と事例分析
テクニカル上場の成功事例
テクニカル上場は、近年、多くの企業によって活用されています。成功事例としては、2018年にブックオフグループHDがテクニカル上場を果たしたことが挙げられます。ブックオフグループHDは、迅速かつ柔軟な経営判断ができる体制を構築することを目指して、テクニカル上場を行いました。
また、2016年にアクサスHDがテクニカル上場を果たしたことも成功事例として挙げられます。アクサスHDは、雑貨屋ブルドッグを吸収合併し、テクニカル上場を行いました。
これらの事例のように、テクニカル上場は、企業が迅速な経営判断や合理的な事業再編を行うために有効な手段となっています。
テクニカル上場は、上場企業の法人格が変更・消滅しても事業の実態が存続すると認められる場合に適用されます。そのため、企業が合併や子会社化を行う際に、事業の実態が本当に非上場会社に引き継がれているかどうかを慎重に検討する必要があります。
企業名 | 事例 |
---|---|
ブックオフグループHD | 2018年にテクニカル上場を果たした。迅速かつ柔軟な経営判断ができる体制を構築することを目指して、テクニカル上場を行いました |
アクサスHD | 2016年にテクニカル上場を果たした。雑貨屋ブルドッグを吸収合併し、テクニカル上場を行いました |
テクニカル上場の事例分析
テクニカル上場の成功事例を分析すると、企業がテクニカル上場を行う際には、以下の点に注意する必要があることがわかります。
まず、テクニカル上場を行う目的を明確にする必要があります。テクニカル上場を行う目的は、迅速な経営判断、合理的な事業再編、資金調達、企業の知名度向上など、様々です。
次に、テクニカル上場を行うための準備をしっかりと行う必要があります。テクニカル上場を行うためには、上場基準を満たす必要があります。また、上場後の維持費用や情報開示義務なども考慮する必要があります。
最後に、テクニカル上場を行う際には、専門家と相談することをお勧めします。専門家は、テクニカル上場に関する知識や経験が豊富であり、企業にとって最適なテクニカル上場方法をアドバイスすることができます。
項目 | 説明 |
---|---|
目的の明確化 | テクニカル上場を行う目的を明確にする必要がある |
準備 | テクニカル上場を行うための準備をしっかりと行う必要がある |
専門家との相談 | テクニカル上場を行う際には、専門家と相談することをお勧めします |
テクニカル上場の今後の展望
テクニカル上場は、企業が迅速な経営判断や合理的な事業再編を行うために有効な手段として、今後も活用されていくと考えられます。
特に、M&Aが活発化する中、テクニカル上場は、経営統合を円滑に進めるための重要なツールとして、ますます注目を集めていくでしょう。
ただし、裏口上場のリスクやテクニカル上場審査の厳格化など、注意すべき点もいくつかあります。
テクニカル上場を行う際には、これらのリスクと注意点を十分に理解した上で、慎重に検討する必要があります。
まとめ
テクニカル上場は、上場企業が非上場企業と合併したり、非上場会社の完全子会社になったりする場合に、その非上場会社の株式を迅速に上場させる制度です。
テクニカル上場は、上場会社の株主に継続的な株式流通の場を提供すること、非上場会社が上場準備を行うための負担を軽減すること、経営統合を円滑に進めることなどを目的としています。
テクニカル上場を行う際には、裏口上場のリスクやテクニカル上場審査の厳格化など、注意すべき点もいくつかあります。
テクニカル上場は、企業が迅速な経営判断や合理的な事業再編を行うために有効な手段として、今後も活用されていくと考えられます。
参考文献
・[事例で解説] テクニカル上場って何? 株価は上がるの …
・テクニカル上場とは?事例も含めてわかりやすく解説 – Ipo …
・ホールディングス化から合併・統合など、テクニカル上場とは?
・テクニカル上場とは – わかりやすく解説 Weblio辞書
・わかりやすい用語集 解説:テクニカル上場(てくにかるじょう …
・テクニカル上場とは?株式用語解説 – お客様サポート – Dmm 株
・【東京市場IPO(番外編)】テクニカル上場ってなぁに?|げしくい
・Ipoとは? 上場との違いやメリット、必要な基準を分かりやすく解説
・株式投資における「テクニカル分析」とは? 相場の流れを …