中低位株とは?経済用語について説明

中低位株の分類
分類 特徴
中低位株 株価が比較的低い 1株あたり500~1,000円以下の株
大手株 時価総額が大きい トヨタ自動車、ソフトバンクグループ
超低位株 株価が100円以下の株 1株あたり100円以下の株
割安株 企業の価値に対して株価が低い PERやPBRが低い銘柄
仕手株 投機筋が注目する銘柄 株価が急騰・急落しやすい銘柄

1. 中低位株とは

要約

中低位株とは何か?

中低位株とは、市場全体の株価と比べて株価が比較的低い水準にある株式のことです。明確な定義はありませんが、一般的には1株あたりの価格が500~1

低位株は価格変動が大きく、高いリスクを伴うこともあるため、投資判断には注意が必要です。

低位株の定義
定義 説明
低位株 市場全体の株価と比べて株価が比較的低い水準にある株式
超低位株 株価が100円以下の株

低位株になる理由

低位株は、業績が安定して成熟しきっている業種や、発行済株式の数量が多い企業が該当しやすいという特徴があります。まず、業績が安定して成熟しきっている業種が低位株に該当しやすい理由は、業種全体で今後の成長が期待できないからです。これ以上の成長はできないと投資家に判断された結果、低価格で推移しています。

ただし、成熟しきった業種をメインの事業としている企業であっても、企業独自の商品があったり新たな事業を開始している場合は今後の成長が期待できるため、低位株に該当しにくいと考えられています。また、発行済株式の数量が多い企業が低位株に該当しやすい理由は、浮動株数が多いからです。

浮動株とは、発行している株式の多くが安定した株主に保有されておらず、今後市場に流通しやすい株式を指します。株式投資においては、長期間同じ銘柄を保有し続ける投資家もいれば、売買を目的に定期的に異なる銘柄を買ったり売ったりする投資家もいます。

浮動株は、後者の投資家が購入する株式です。浮動株が多いと株価は低下しやすくなり、株価が下がれば株価水準が低いと判断されやすくなるため、低位株になりやすいと考えられています。

低位株になる理由
理由 説明
業績不振 企業の業績が悪化しているため
成熟業種 成長性が低いため
発行済み株式数が多い 浮動株数が多いため

低位株は投資する価値があるのか?

低位株は、今後株価が急上昇して高い利益が得られる可能性もあるため、株価水準が低いからといって必ずしも投資しない方が良いとは言い切れません。

特に、低位株に投資すると株価がかなり低い時に投資するため、株価が急上昇すれば多くの利益が得られます。つまり、低位株だからと避けずに、現在行なっている事業や今後展開される事業などの情報から、投資して良い銘柄かを判断しましょう。

まとめ

低位株は、株価が低い銘柄であり、少額から投資できるというメリットがあります。しかし、業績が悪化している可能性や、上場廃止になるリスクなど、注意すべき点もいくつかあります。

低位株に投資する際は、企業の業績や将来性、流動性などをしっかりと確認し、リスクを理解した上で投資を行うことが重要です。

2. 中低位株と大手株の違い

要約

大手株とは?

大手株とは、一般的に時価総額が大きい企業の株式を指します。時価総額とは、企業の発行済み株式数に株価を掛けたもので、企業の規模を表す指標です。時価総額が大きい企業は、一般的に安定した収益を上げており、市場での知名度も高い傾向があります。

大手株は、中低位株に比べて株価が安定している傾向があります。これは、大手企業は安定した収益を上げており、市場からの信頼も厚いため、株価が大きく変動しにくいからです。

大手株の特徴
特徴 説明
時価総額 大きい
収益 安定している
市場での知名度 高い
株価の安定性 高い

中低位株と大手株の違い

中低位株と大手株の大きな違いは、成長性リスクです。大手株は、すでに大きな規模を持つ企業であるため、中低位株に比べて成長性は低くなります。一方で、安定した収益を上げており、市場からの信頼も厚いため、リスクは低くなります。

中低位株は、大手株に比べて成長性が高い一方で、リスクも高いです。成長性の高い企業は、将来の収益拡大が期待できる一方で、業績が悪化するリスクも高くなります。

中低位株と大手株の違い
項目 中低位株 大手株
成長性 高い 低い
リスク 高い 低い

中低位株と大手株の投資戦略

中低位株と大手株の投資戦略は、投資家のリスク許容度や投資期間によって異なります。リスク許容度が低く、安定した収益を求める投資家には、大手株が適しています。

一方、リスク許容度が高く、高いリターンを求める投資家には、中低位株が適しています。中低位株は、成長性が高い一方で、リスクも高いことを理解した上で投資を行う必要があります。

まとめ

中低位株と大手株は、成長性とリスクという点で大きな違いがあります。大手株は安定した収益を上げており、リスクは低くなりますが、成長性は低いです。

中低位株は、成長性が高い一方で、リスクも高いです。投資家は、自身の投資目標やリスク許容度を考慮して、どちらの銘柄に投資するかを判断する必要があります。

3. 中低位株の特徴

要約

値動きが大きい

低位株は株価が非常に低く、何かのきっかけがあると一気に上昇するケースも少なくありません。例えば、新たな事業を発表した場合や新商品の開発に関する発表があった場合、その事業や新商品への期待などからその企業の株式を買う人が増えます。買い注文が増えると当然株価は上昇し、低位株のうちに買っておけば利益が得られます。

値動きが大きいことは、短期トレードに向いていると言えます。買った時点での株価が安いからこそ、株価が一円上がっただけでも騰落率がかなり大きくなるため、大きな利益を期待できます。

ただし、短期トレードは売買のタイミングが難しい他、常にトレードを監視していなければならないため、初めて株式投資に挑戦する人や仕事、家事などでトレードを見る時間がなかなか取れない方などには適していません。短期トレードで利益を上げるには、市場の情報を素早くつかみ、取引に多くの時間を割き、値上がりを見込める株を選ぶ必要があります。

流動性が低い

株式投資における流動性とは、その株式が市場に出回る多さを意味します。「流動性が高い」と表現される株式は市場に出回る数が多く、逆に「流動性」が低いと表現される株式は市場に出回る数が少ないと判断できます。

前述のとおり低位株は成熟した業種に多い傾向があり、成長しきった企業が今後大きく成長する確率が低いため、市場に出回る数が少なく、流動性が低いとされています。

流動性が低い株式は、市場で取引される機会が少ない、つまり買い注文されることも少なく株価が上昇しにくいため、利益が出にくいことがほとんどです。

しかし、低位株の全てが流動性が低いわけではなく、あくまでも特徴です。低位株の中には流動性が高いものもあるため、低位株で利益を得るためには流動性の高い銘柄を選ぶことが重要です。なお、低位株の選び方については後ほど詳しく解説します。

株価が低いことには理由がある

低位株の株価が低い理由は複数ありますが、基本的には業績が悪化していることが理由の大半です。

ただし、突発的に業績が悪化しているだけで、翌期は黒字に回復するケースもあります。また、業種自体が成熟しきっている銘柄も成長性が低いことから低位株になる可能性があります。

業績の悪化が一時的である場合や、業績が悪化しているわけではなく成長性が低いことから低位株になっているケースもあるため、低位株への投資を検討する際は、低位株になっている理由を明確にして今後株価の上昇、企業の成長が見込めるかを確認しましょう。

低位株の株価が低い理由
理由 説明
業績悪化 一時的または継続的な業績悪化
成長性不足 成熟した業種や成長が見込めない企業
発行済み株式数が多い 浮動株数が多い場合

まとめ

低位株は、値動きが大きく、流動性が低く、株価が低いことには理由があるという特徴があります。

低位株に投資する際は、これらの特徴を理解した上で、リスクとリターンを考慮して投資判断を行う必要があります。

4. 中低位株の魅力

要約

少額から投資できる

低位株は1株あたり1

例えば任天堂は株価水準が高く、1株の株価は48

投資資金を抑えられるため、さまざまな企業への分散投資も可能です。分散投資をすることでリスク軽減も図れるため、初心者の方にも向いています。

値上がりによる大きなリターンが期待できる

低位株の中でも特に株価の安い(100円以下など)銘柄を超低位株と呼ぶこともあります。超低位株はその株価の安さゆえに値動きが激しく、デイトレーダーなどに高い人気を持つ銘柄も散見されます。

例えば、株価が20円の銘柄が21円に値上がりしたとしたら、たった1円の変化であるにもかかわらず、その騰落率は+5%にものぼります。この大きな価格変動率を狙って、短期的なトレードで利益を得ることも期待できるというわけです。

日によって本数は異なりますが、2020年8月時点において、このような超低位株(株価100円以下)は40~50銘柄ほど存在しています。特に株価の安い銘柄は非常に活発な取引が行われているものもあり、投機筋を中心に固い人気があります。

ただし、超低位株には後述のように仕手筋が手を付ける銘柄も多いため、価格変動以外のリスクも大きいと言えます。

成長株の発掘に繋がる可能性がある

低位株の中には、将来性のある企業が一時的に業績が悪化したり、市場に知られていないために株価が低迷している場合があります。

このような銘柄は、将来成長する可能性が高く、投資家にとって大きなリターンをもたらす可能性があります。

まとめ

低位株は、少額から投資できる、値上がりによる大きなリターンが期待できる、成長株の発掘に繋がる可能性があるなど、魅力的な投資対象です。

しかし、低位株はリスクも高いことを理解した上で投資を行う必要があります。

5. 中低位株の投資のポイント

要約

業績をチェックする

まずは低位株銘柄の業績をチェックしましょう。株価低迷の理由が業績不振によるものであれば、その銘柄への投資は避けたほうが良いかもしれません。同業他社の株価水準に比べて突出して株価が低い場合や、信用失墜などの理由で大きく下落した銘柄にも気をつけましょう。

ただし、好業績を続け、期待できる商品やサービスを提供しているにもかかわらず、一時的なニュースや不運な損失等により株価が下落し、低水準となった場合は、割安株と見なされることもあり、株価の回復もありえます。

流動性を確認する

流動性が確保されているか否かは、非常に重要な指標です。流動性が高い銘柄はいつでも売買が成立しますが、流動性が低い銘柄は売買したいときに売買できない可能性があります。

流動性の確認のために、取引量は必ずチェックしましょう。出来高が極端に少ない銘柄は避けるべきです。出来高が少なければ取引されている数が少ないことを意味し、売りたいと思ったタイミングに売ることができないような事態に陥る恐れがあるためです。

自身が取引したいタイミングで売買するためには、ある程度の出来高が必要です。実際、株式投資は株を売買して利益を得ていきますが、買い注文や売り注文が必ず成立するとは限りません。そのため、株価が上昇して「今売りたい」と思った時に売りやすいように、低位株に投資する際は出来高がある程度ある銘柄を選びましょう。

分散投資を心がける

低位株への投資は、うまくいかない可能性も考慮して、ひとつの銘柄に全資産を投資するのではなく、複数の銘柄への分散投資を基本としましょう。

複数の低位株へ分散したり、割安株、バリュー株に分散したり、株式以外の金融商品へ分散したりといったように、様々な分散投資が考えられます。投資の時期をずらす時間分散も有効です。

まとめ

低位株への投資は、リスクを理解した上で、慎重に行う必要があります。

業績をチェックし、流動性を確認し、分散投資を行うことで、リスクを軽減することができます。

6. 中低位株の選び方と注意点

要約

スクリーニング機能を活用する

低位株の選び方としては、証券会社の提供しているスクリーニング機能(銘柄の条件検索機能)を利用するのが便利です。

「株価1

企業の業績や将来性を分析する

スクリーニング機能で低位株を見つけたら、その企業の業績や将来性を分析する必要があります。

企業の財務諸表や事業計画などを確認し、今後の成長性や収益性を見極めましょう。

仕手株に注意する

仕手筋とは、投機的に株の売買などをして株価を吊り上げようとする投資グループのことです。

仕手筋が狙う銘柄は時価総額が低く、また出来高が少なく、株価が急騰・急落しやすいなどの特徴があります。仕手筋は株価が急騰した段階で株を売り、利益につなげます。しかし、仕手筋によって急騰した株価は株が売られたことで急落します。

仕手筋の動きに気が付かない投資家は、急落した株価によって損をするという仕組みになっています。そのため、株価の安い銘柄を狙っていると、場合によっては仕手筋の思惑に乗ってしまう危険があることに注意が必要です。最低限、特段の材料がないのに急騰した銘柄に手を出すのは控えましょう。

まとめ

低位株を選ぶ際は、スクリーニング機能を活用して、企業の業績や将来性を分析することが重要です。

また、仕手株に注意し、安易な投資は避けましょう。

参考文献

超低位株(ボロ株)とは何か?メリット、リスク、選び方を … | Ig

中低位株 | 金融・証券用語解説集 | 大和証券

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低位株|証券用語解説集|野村證券

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低位株│SMBC日興証券

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