白色申告とは?経済用語について説明

白色申告と青色申告の比較表
項目	白色申告	青色申告
事前申請	不要	必要（開業届、青色申告承認申請書）
帳簿の方式	単式簿記	複式簿記
提出書類	収支内訳書、確定申告書	青色申告決算書、確定申告書
特別控除	なし	あり（最大65万円）
赤字の繰り越し	不可	3年間可能
事業専従者給与	上限あり	上限なし
減価償却資産	10万円以下のみ一括償却	30万円以下一括償却可能
税制上のメリット	少ない	多い
記帳の手間	簡単	複雑
申告の手間	簡単	複雑

1. 白色申告とは何か

白色申告とは？

白色申告とは、個人事業主やフリーランスなどの自営業者がおこなう確定申告の一種です。確定申告には、大きく分けて『白色申告』と『青色申告』の2種類があります。昔使われていた用紙の色からそう呼ばれているそうです。

白色申告は、青色申告と比べて手続きが簡単なことが特徴です。青色申告では、税務署への事前申請や複式簿記による帳簿付けなど、複雑な手続きが必要となります。一方、白色申告では、これらの手続きが不要で、比較的簡易な帳簿付けで済むため、初めて確定申告をする方にとって取り組みやすいと言えるでしょう。

ただし、白色申告には、青色申告のような税制上の優遇措置が適用されません。特に、青色申告特別控除は、最大65万円の所得税控除が受けられるため、節税効果が大きいですが、白色申告ではこの控除を受けることができません。そのため、収入が多い場合は、青色申告の方が有利になる可能性があります。

白色申告は、青色申告に比べて手続きが簡単で、確定申告の負担を軽減できるというメリットがあります。しかし、税制上の優遇措置を受けられないというデメリットも存在します。そのため、事業規模や収入状況などを考慮し、どちらの申告方法が自分に適しているのかを判断することが重要です。

白色申告の必要書類
書類名	内容
収支内訳書	収入と支出を計算して所得を算出
確定申告書	所得から控除を差し引き、納税額を申告
各種控除のための証明書	控除を受けるための証明書

白色申告の対象者

白色申告の対象者は、青色申告の申請を行っていないすべての人です。つまり、青色申告の申請をしていない方は、自動的に白色申告になります。青色申告をするには、事前に『開業届』と『青色申告承認申請書』を税務署に提出し、承認される必要があります。

白色申告は、青色申告の申請を行わなかった場合、自動的に適用される申告方法です。そのため、青色申告の申請を忘れてしまった場合や、青色申告の条件を満たしていない場合でも、白色申告で確定申告を行うことができます。

ただし、白色申告は、青色申告に比べて税制上の優遇措置が受けられないため、収入が多い場合は、青色申告の方が有利になる可能性があります。

白色申告の対象者
対象者	説明
青色申告の申請を行っていない人	青色申告の申請をしていない場合は、自動的に白色申告になります
開業届を出していない人	事業として開業届を出していない場合でも、給与所得以外に収入を得ている場合は、白色申告が必要です
給与所得以外に収入を得ている人	給与所得以外に収入を得ている場合は、白色申告が必要です

白色申告の必要書類

白色申告で提出する書類は次の３つです。

①収支内訳書\n②確定申告書\n③各種控除のための証明書

これらの書類は、手書きで作成するほか、国税庁『確定申告書等作成コーナー』にて作成することができます。

③は、郵送などで送られてくる書類が多いので、捨てずに保管しておく必要があります。

まとめ

白色申告は、青色申告に比べて手続きが簡単で、確定申告の負担を軽減できるというメリットがあります。しかし、税制上の優遇措置を受けられないというデメリットも存在します。

そのため、事業規模や収入状況などを考慮し、どちらの申告方法が自分に適しているのかを判断することが重要です。

初めて確定申告をする場合は、白色申告から始めるのがおすすめです。確定申告に慣れてきたら、青色申告に切り替えることも検討できます。

2. 白色申告のメリットとデメリット

白色申告のメリット

白色申告のメリットは、青色申告と比べて『とにかく手間がかからない』という点です。青色申告ほど帳簿付けのルールが厳しくないうえ、確定申告書類も比較的カンタンに作成できます。

そのため、事業規模や収入状況などを考慮し、どちらの申告方法が自分に適しているのかを判断することが重要です。

初めて確定申告をする場合は、白色申告から始めるのがおすすめです。確定申告に慣れてきたら、青色申告に切り替えることも検討できます。

白色申告のメリット
メリット	説明
手続きが簡単	青色申告に比べて、事前申請や帳簿付けが簡単
記帳が簡単	単式簿記で記帳できるため、簿記の知識がなくても比較的簡単に帳簿付けができます

白色申告のデメリット

白色申告のデメリットは、ズバリ『青色申告限定の節税特典が受けられない』という点です。特に、節税を目指す個人事業主にとって、最大65万円の『青色申告特別控除』を適用できないのはかなり大きなデメリットでしょう。

また、白色申告では、青色申告のように赤字を3年間繰り越すことができません。そのため、赤字が続いている場合は、青色申告の方が有利になる可能性があります。

さらに、白色申告では、青色申告のように事業専従者給与を必要経費に計上することができません。そのため、家族に給与を支払っている場合は、青色申告の方が有利になる可能性があります。

白色申告のデメリット
デメリット	説明
税制上の優遇措置が少ない	青色申告特別控除などの税制上の優遇措置が受けられません
節税効果が期待できない	青色申告に比べて、税金を安く抑えることができません
推計課税の可能性	税務調査で申告内容に不備があると、税務署が推計によって税金を算定する場合があります

白色申告と青色申告のどちらを選ぶべきか？

白色申告と青色申告のどちらを選ぶかは、事業規模や収入状況、節税効果などを総合的に判断する必要があります。

収入が少なく、節税効果がそれほど期待できない場合は、白色申告で十分でしょう。しかし、収入が多い場合は、青色申告の方が有利になる可能性があります。

また、青色申告は、帳簿付けが複雑になるため、簿記の知識や経験がない場合は、白色申告の方が取り組みやすいでしょう。

まとめ

そのため、事業規模や収入状況などを考慮し、どちらの申告方法が自分に適しているのかを判断することが重要です。

初めて確定申告をする場合は、白色申告から始めるのがおすすめです。確定申告に慣れてきたら、青色申告に切り替えることも検討できます。

3. 白色申告の申告期限と手続き

白色申告の申告期限

白色申告の申告期限は、毎年2月16日から3月15日です。

ただし、申告期限は、年度によって変更される場合があります。

申告期限までに確定申告書を提出しないと、ペナルティが課せられる可能性があります。

そのため、申告期限をしっかり確認し、余裕を持って確定申告を行うようにしましょう。

白色申告の申告期限
期間	説明
毎年2月16日から3月15日	申告期限は毎年2月16日から3月15日です。ただし、年度によって変更される場合があります。

白色申告の手続き

白色申告の手続きは、次の4つのステップで行います。

①記帳作業\n②決算作業\n③確定申告書と収支内訳書の作成\n④控除証明書などの添付書類の準備

これらのステップを順を追って説明していきます。

白色申告の手続き
ステップ	内容
記帳作業	収入と支出を記録する帳簿を作成
決算作業	棚卸表の作成や減価償却費の計算など
確定申告書と収支内訳書の作成	確定申告書と収支内訳書を作成
控除証明書などの添付書類の準備	各種控除を受けるための証明書などを準備

白色申告の提出方法

白色申告の提出方法は、次の3つがあります。

①税務署に直接持参する\n②税務署に設置されている時間外収集箱へ投函する\n③郵送で提出する\n④e-Taxを利用した電子申告

このうちでおすすめなのが『インターネットによる電子申告』です。

国税庁『確定申告書等作成コーナー』から必要事項を入力するだけで書類を作成でき、そのまま提出できます。

白色申告の提出方法
方法	説明
税務署に直接持参する	確定申告書を税務署に直接持参して提出
税務署に設置されている時間外収集箱へ投函する	税務署に設置されている時間外収集箱に確定申告書を投函
郵送で提出する	確定申告書を郵送で提出
e-Taxを利用した電子申告	インターネットを使って確定申告書を提出

まとめ

そのため、事業規模や収入状況などを考慮し、どちらの申告方法が自分に適しているのかを判断することが重要です。

初めて確定申告をする場合は、白色申告から始めるのがおすすめです。確定申告に慣れてきたら、青色申告に切り替えることも検討できます。

4. 白色申告と青色申告の違い

帳簿の方式

白色申告では、単式簿記で帳簿をつけることができます。単式簿記は、家計簿のような簡単な記帳方法で、収入と支出を記録するだけです。

一方、青色申告では、複式簿記で帳簿をつける必要があります。複式簿記は、取引ごとに借方と貸方の2つの側面で記録する記帳方法で、単式簿記よりも複雑です。

青色申告では、複式簿記で帳簿をつける必要や一定の帳簿を保存する義務が付されており、確定申告の方法の一つです。事前の承認、帳簿の作成や提出書類の準備に手間がかかりますが、税制上の優遇措置などの特典があります。

白色申告は、青色申告の事前の承認を受けていない人が確定申告する場合の申告方法です。青色申告と比べて、帳簿の作成や提出書類の準備が簡略化されており、青色申告より手間がかからないことが特徴です。

帳簿の方式
申告方法	帳簿の方式
白色申告	単式簿記
青色申告	複式簿記

確定申告で必要な書類

白色申告では、収支内訳書を提出します。収支内訳書は、収入と支出をまとめた書類です。

一方、青色申告では、青色申告決算書を提出します。青色申告決算書は、貸借対照表と損益計算書をまとめた書類です。

青色申告では、税制優遇措置が複数あります。（詳細は青色申告のメリット参照）

青色申告の代表的な税制優遇措置として、所得から一定金額を控除（青色申告特別控除）することができます。

確定申告で必要な書類
申告方法	提出書類
白色申告	収支内訳書
青色申告	青色申告決算書

開始するための手続き

白色申告は、事前申請は不要です。

一方、青色申告をする場合は原則、申告年の3月15日までに『開業届』と『青色申告承認申請書』を所管の税務署に提出*する必要がありますが、白色申告は事前申請は不要となります。

後述の青色申告のメリットを享受するためにも、開業予定の方、開業して間もない方は青色申告の事前申請について検討してみましょう。

確定申告に必要な書類や保存義務のある帳簿は、青色申告の方が圧倒的に多くなるため、手間がかかります。

開始するための手続き
申告方法	手続き
白色申告	不要
青色申告	必要（開業届、青色申告承認申請書）

まとめ

そのため、事業規模や収入状況などを考慮し、どちらの申告方法が自分に適しているのかを判断することが重要です。

初めて確定申告をする場合は、白色申告から始めるのがおすすめです。確定申告に慣れてきたら、青色申告に切り替えることも検討できます。

5. 白色申告に必要な書類と領収書の保管方法

白色申告に必要な書類

白色申告で提出する書類は次の３つです。

①収支内訳書\n②確定申告書\n③各種控除のための証明書

これらの書類は、手書きで作成するほか、国税庁『確定申告書等作成コーナー』にて作成することができます。

③は、郵送などで送られてくる書類が多いので、捨てずに保管しておく必要があります。

白色申告に必要な書類
書類名	内容
収支内訳書	収入と支出を計算して所得を算出
確定申告書	所得から控除を差し引き、納税額を申告
各種控除のための証明書	控除を受けるための証明書

収支内訳書

収支内訳書は、収入と支出を計算して、1年間の所得を算出する書類です。

『所得』＝『収入』ー『支出』\n『支出（経費）』が多ければ多いほど、『所得』は少なくなり、納める税金は少なくなります。

収入は、給与明細や源泉徴収票、ギャラの振込明細などから算出します。

支出は、経費として購入した領収書やレシート、クレジットカード明細などから算出します。

確定申告書

確定申告書は、所得から各種控除を差し引いて課税所得を算出し、今年度の納税額を申告する書類です。

『課税所得』＝『所得』ー『控除』\n『控除』が大きくなるほど、納める税金は少なく済みます。

おもな控除は以下のものがあります。

・社会保険料控除\n・生命保険料控除\n・医療費控除\n・基礎控除

まとめ

そのため、事業規模や収入状況などを考慮し、どちらの申告方法が自分に適しているのかを判断することが重要です。

初めて確定申告をする場合は、白色申告から始めるのがおすすめです。確定申告に慣れてきたら、青色申告に切り替えることも検討できます。

領収書の保管方法
書類名	保管期間	説明
帳簿	7年間	白色申告でも帳簿の保存義務があります。
領収書	7年間	必要経費を証明するために、領収書は大切に保管しましょう。
各種控除のための証明書	5年間	控除を受けるための証明書は、税務調査に備えて保管しましょう。

6. 白色申告の未納や違反に対する罰則

白色申告の未納

白色申告の申告期限は、毎年2月16日から3月15日です。

ただし、申告期限は、年度によって変更される場合があります。

申告期限までに確定申告書を提出しないと、ペナルティが課せられる可能性があります。

そのため、申告期限をしっかり確認し、余裕を持って確定申告を行うようにしましょう。

白色申告の未納
罰則	説明
無申告加算税	申告期限までに確定申告書を提出していない場合に課せられます。
延滞税	申告期限までに税金を納めていない場合に課せられます。

白色申告の違反

白色申告では、帳簿の保存義務があります。

帳簿を保存していない場合や、帳簿の内容が不正確な場合は、税務調査の対象となる可能性があります。

税務調査では、申告内容が正しいかどうかがチェックされます。

申告内容に誤りがあると、修正申告を求められたり、加算税が課せられたりする可能性があります。

白色申告の違反
違反内容	説明
帳簿の保存義務違反	帳簿を保存していない場合や、帳簿の内容が不正確な場合は、税務調査の対象となる可能性があります。
申告内容の虚偽記載	申告内容に誤りがあると、修正申告を求められたり、加算税が課せられたりする可能性があります。

罰則

白色申告の未納や違反に対する罰則は、以下のとおりです。

・無申告加算税\n・延滞税\n・重加算税

無申告加算税は、申告期限までに確定申告書を提出していない場合に課せられます。

延滞税は、申告期限までに税金を納めていない場合に課せられます。

罰則
罰則	説明
無申告加算税	申告期限までに確定申告書を提出していない場合に課せられます。
延滞税	申告期限までに税金を納めていない場合に課せられます。
重加算税	申告内容に故意または過失による不正があった場合に課せられます。